南澤克彦 議員

第2日

災害時のトイレについて備蓄計画の数量・算定根拠、家庭内備蓄の啓発、仮設トイレの確保と広域連携、し尿ごみの処分、下水道施設の点検を確認し、学校と地域の連携についてコミュニティスクールの実効性を高める方策を質問。

備蓄計画における災害時トイレの数量・算定根拠と用品の見直し

備蓄計画が過去の豪雨災害の避難者数を基に支援対象者数を1,200人としていることについて、トイレは震災をベースに想定するのが妥当ではないかと確認。凝固剤9,000個、便収納袋1,800袋の算定根拠を尋ね、便収納袋の一時保管用の蓋付バケツの想定、備蓄量1.5日分の根拠、現在の備蓄状況を質問した。

市長 藤本

市長は、県が公表した地震被害想定では南海トラフ地震陸側ケースの避難者数が合計593人で現在の備蓄基準1,200人の範囲内だが、直下型地震では3,335人と想定され基準を大きく上回るため自助・共助の強化が肝要と答弁。凝固剤は1,200人×5回×1.5日分で9,000個、便収納袋は排便袋5つ程度を収納する想定で5分の1としている。市1.5日分と県1.5日分で合わせて3日分となり、4日目以降は国のプッシュ型支援が本格化する。蓋付バケツの備えはなく、備蓄計画の見直しで簡易トイレ使用の流れ全体を再確認し必要な資機材を整備すると述べた。

災害時トイレの家庭内備蓄と汚水処理方式に応じた啓発

簡易トイレの家庭内備蓄は汚水処理の方法によって対応が異なるのではないかとして、公共下水道、農業集落排水、浄化槽、くみ取り式といった状況をどのように整理しているかを確認。くみ取り式であれば簡易トイレの用意は必要ないのではないかと尋ね、各家庭の汚水処理方式に合わせた啓発の必要性を指摘して家庭内備蓄の啓発状況を質問した。

市長・危機管理監 藤本・神田

市長は、本市には公共下水道、農業集落排水、合併浄化槽など複数の汚水処理ケースが存在するが、いずれも簡易トイレ使用後の廃棄物を流すことはできず、汚水として流さず燃えるごみとして処分することになると説明。家庭内備蓄は広報誌、ホームページ、SNS等で啓発し、自主防災組織への防災講話や11月19日を備蓄の日と定める活動を通じて重要性を周知していると答えた。危機管理監は、トイレに特化した啓発はそれほど行っていないとし、くみ取り式であってもそこが土砂災害警戒区域であれば避難が必要になるため、持って出るための携帯トイレも合わせて1家庭当たり何個かの備蓄を呼びかけていると述べた。

仮設トイレ・トイレカーの確保と災害時相互応援の広域連携

給排水設備の破断後は簡易トイレから仮設トイレ、トイレカー、マンホールトイレへ移行すると認識しているとして対応の想定を確認。災害時のし尿収集運搬に関する協定と、簡易トイレ・仮設トイレの民間企業との協定状況を尋ね、安芸高田市単独で全てを整えるのではなく広域連携の下で役割分担する考えと、他市が被災した際に本市ができる支援についても質問した。

市長 藤本

市長は、避難所でトイレが使用不可能になった場合はまず簡易トイレや携帯トイレで対応し、その後は仮設トイレの設置を想定しているとし、大規模災害時は県や被害の少ない近隣自治体へ応援を依頼する長期的な対応も視野に入れる必要があると答弁。平成29年3月15日に市内のし尿収集業者3社及び広島県環境整備事業協同組合と災害時におけるし尿収集運搬等の支援協力に関する協定を締結し、仮設トイレもこの協定で確保できる回答を得ている。トイレカーは整備に七、八百万円程度かかり維持管理も伴うため単独整備は難しく、県内自治体との相互応援協定による広域的連携の中で支援を要請するとした。

災害時のし尿ごみの処分方法と芸北広域環境施設組合との協議

東日本大震災の際にし尿ごみの袋がパッカー車内で破裂し、パッカー車や道路が汚れて苦情が多く寄せられた事例が研修会で報告されたことを紹介。起こり得ることが分かっていれば事前に対策を立てられるとして、庁内で情報を共有して対策を考えるべきではないかと所見を求め、避難所や各家庭での処分の仕方の方針を明確にして周知徹底する必要性を指摘した。

市長 藤本

市長は、本市のごみ処理は芸北広域環境施設組合で行われているが、大規模災害時に避難所や家庭から出るし尿ごみの管理と処分については事前の具体的な協議が十分ではないと認め、今後、組合と事前の対応を協議し共有していきたいと答弁。組合への聞き取りでは、パッカー車内には汚水タンクが設置されており通常は外に漏れる可能性は低いが、投入物が破れた場合は漏れる可能性もあるとの回答を得ている。組合側も災害ごみの対応について市と協議したいという思いを持っているため、担当を通じてしっかりと協議し、いざというときの対応に備えたいと述べた。

災害時の下水道施設の点検とトイレ使用制限の周知

下水道施設にトラブルがあった際、速やかにトイレの使用制限を周知する必要があるとして伝達経路の備えを確認。地中に埋まっている下水管のトラブルの有無を災害時に誰が確認する手はずになっているのかを尋ね、発災後のフローの中に下水施設の点検・確認を組み込むべきではないかと求めた。

市長・建設部長 藤本・佐々木

市長は、緊急時の伝達経路についてお太助フォン、ホームページ、SNSにより周知していく考えと答弁。建設部長は、これまでの事故では市民からの通報が最も多く、マンホールポンプが雷で停止して通報が入らない場合はあふれてから気づくことがあると説明。30年以上下水道を経験しているが破裂事故の事例はなく、今後あるとすれば震災になるため、対応のやり方を含めて体制を整え情報伝達も整理しておく必要があると述べた。大雨災害時は問題のあった処理場が全て業者の携帯に通報される装置ができており、状況を確認して不具合があれば市が入って対応を相談すると答えた。

学校運営協議会の目的・役割と構成員の状況

令和元年に八千代町から始まり市内全域に展開されたコミュニティスクールについて、認識をそろえるため学校運営協議会の目的と役割を確認。構成員の属性と各協議会の人数、年間の会議の回数・時間・開催時期についても質問した。

教育長 猪掛

教育長は、協議会の目的は保護者及び地域住民等の学校運営への支援・協力を促進することで信頼関係を深め、学校運営の改善や児童生徒の健全育成に取り組むことと説明。校長が示す基本的な方針を承認する役割があり、教育課程の編成、学校経営計画、組織編成、学校予算、施設管理などが対象で、学校運営全般について教育委員会や校長に意見を述べることができる。2026年9月1日現在の人数は吉田22人、八千代18人、美土里16人、高宮19人、甲田16人、向原17人で、2025年度は年間3回から5回、1時間から2時間程度開催していると答えた。

学校運営協議会の市民周知と基本方針の承認時期の見直し

地域住民が代表者を通じて学校運営に意見を述べ協議会規則第4条の事項を承認していくプロセスは重要だとしつつ、この仕組みを認識している市民が少ないのではないかと懸念して所見を求めた。また、吉田地区では初回が6月で既に事業年度が始まっており方針を承認せざるを得ない状況だったとして、こうした状況を見直す考えがあるかを尋ねた。

教育長 猪掛

教育長は、全校でコミュニティスクールを展開した令和2年にリーフレットを作成し保護者や議会へ配布し広報・ホームページへの掲載や全戸配布を行ったが、それ以降の市民への周知は指摘のとおり十分でないと感じているとし、学校だよりや市広報等を活用して積極的な情報発信に努めたいと答弁。承認時期については課題として把握しており、4月の人事異動等を踏まえて5月の教育委員会会議の議決で委嘱委員の名簿を決定したため今年度は6月の開催となったと説明。今後は委嘱の時期をできるだけ早めることや、前年度の最終の協議会で次の年の学校経営計画の素案を提示する方法も検討したいと述べた。

地域学校協働本部の立ち上げと集落支援員のコーディネーター役

学校運営協議会が承認や協議を行う場であるのに対し、地域学校協働本部は実行部隊に当たるものだとして、国が立ち上げを期待しているものの自然発生的に出来上がるには相当な時間がかかるため積極的に仕掛けていく必要があると指摘し、教育長の考えを求めた。

教育長 猪掛

教育長は、昨年度からコミュニティスクールの充実を課題として掲げており、今年度は市から集落支援員を任命してもらったため、集落支援員を学校運営協議会の委員に任命して活性化の一助になることを期待していると答弁。地域学校協働本部についても課題意識を持っており、最終的には集落支援員がコーディネーター役を担うイメージで働きかけをしていきたいとした。学校の課題感と地域が協力できることをコミュニティスクールの場で議論してもらい、話がまとまれば地域学校協働活動としてどこかの農園を借りて野菜をつくるといったこともできるのではないかと述べた。

子育て・教育を切り口とした地域振興組織への若者参画

総合計画でも若者が参画しやすい地域振興組織に課題があると言及されていることを踏まえ、子育てや教育に係る分野を切り口に世代を超えて地域をつなげることが糸口になると指摘。集落支援員をさらにリードする存在として、この分野に専属で人員を配置する価値があるのではないかと市長の考えを求めた。

市長 藤本

市長は、集落支援員は登下校の見守りや伝統行事への参画など多様な活動を通じて地域と学校とのつなぎ役として重要な役割を担っており、地域振興組織や住民、学校が連携して持続可能な地域コミュニティの構築を目指していると答弁。今後は現場の実情に即して着実に推進し、一定の効果が確認された段階で次のステップへ進むことを検討したいとした。地域で子どもを育てることが以前よりないのが現状であり、人的なものを配置して加速させる提案も頭にはあるが、今は集落支援員で各拠点・地域振興会のてこ入れをしているため、その流れを見ながらフォローしていきたいと述べた。

中学校統合に伴う学校運営協議会の再編

学校運営協議会が小・中の連携を念頭に中学校区単位または旧町単位で構成されている中、中学校統合が決定されており再編の必要性が遅かれ早かれ生じてくるとして進め方を確認。統合までの期間に今ある単位での話合いを中身の濃いものにしていくことが統合後に効いてくるとして、この期間に考えていることを尋ねた。

教育長 猪掛

教育長は、総合計画にある縦の連携すなわち小中連携を大事にする考えから中学校区単位の学校運営協議会を設置しており、中学校が統合された場合は1中学校7小学校となるため在り方についても検討する必要があると答弁。今後設置予定の統合準備委員会での意見を踏まえて最終的な枠組みを決定することになるが、まずはそれまで現体制が機能するよう取り組むとした。本年度は委員の平準化をある程度統一し、振興会の代表や民生委員も入ってもらっており、統合すると学校と地域が遠くなる課題が出てくるためこれをつなぐのが学校運営協議会の大きな役目だと述べた。