浅枝久美子 議員

第2日

学校菜園(エディブルスクールヤード)の導入と学校給食における地産地消の推進について、実施状況、教育理念との整合、モデル校からの開始、ゼロカーボンシティ宣言を踏まえた小規模農家の支援、生産者との協議の場づくりを質問。

学校菜園の実施状況と授業での活用内容

本市の幼児教育現場と小・中学校現場において、エディブルスクールヤードを含む学校菜園を実施している校数を確認。実施校での具体的な内容についても尋ねた。

教育長 猪掛

教育長は、市内の小・中学校全13校中11校に学校菜園があるが、エディブルスクールヤードとしての位置づけはしていないのが実情と答弁。多くの学校では生活科や技術科、特別支援学級の生活単元の授業で取り扱っており、トマト、キュウリ、サツマイモ、トウモロコシなどを栽培して、学校で児童生徒が調理をしたり家庭へ持ち帰って食べるなどをしていると説明した。

エディブル教育の意義と本市の教育理念との整合

1995年にアメリカで始まったエディブル教育が、校庭の菜園をもう一つの教室や生きた教材と位置づけ、教科学習と結びつけて学ぶものであることを紹介。あえてスローダウンすることで豊かな感性や自然への驚嘆を育む点が本市の目指す自ら考え自立する子どもの育成と親和性が高いとして、市長と教育長の見解を求めた。

市長・教育長 藤本・猪掛

市長は、エディブル教育は子どもたちが自ら作物を育て生きる力や豊かな心を育むものであり、本市の目指す教育理念の方向性とは大きく違わないとしつつ、国内における認知度に鑑みるとまだ未知数な分野であるという印象も持っていると答弁。教育長は、本市の学校教育における基本理念は学校教育推進プランにある「未来に生きる力を高める安芸高田教育の推進」と定めており、作物を栽培し食べることを通じて生きる力を育むエディブル教育の意義は本市の基本理念と方向性が異なるものではないと考えていると述べた。

安芸高田市版エディブルスクールヤードの学校現場への導入

全国オーガニック給食フォーラムでサイエンティフィックドローイングやマインドフル・イーティングを体験したことを紹介し、土に触れる感覚や自然への驚嘆を育む学習が子どもたちの生きる力の根幹になると主張。地産地消の取組を一歩進め、教科学習と統合する安芸高田市版エディブルスクールヤードを協力が得られるモデル校から始められないか尋ねた。

教育長 猪掛

教育長は、エディブル教育の理念そのものは子どもたちの健全な育成にとって大切であると認識しているとしつつ、学校現場で同様に展開するには限られた指導時間内での時間の確保、専用スペースの維持・管理体制、教職員や地域協力者の負担軽減など多くの課題が存在すると説明。喫緊に取り組むべき課題が山積している現状を踏まえると直ちにカリキュラムとして開発・導入するのは難しいとしつつ、既存の学校菜園を活用した取組を充実しながら、できるところからであれば地域の方の協力の上で考えていける部分もあるとの感想を述べた。

ゼロカーボンシティ宣言と循環型農業の担い手支援

8月の定例記者会見で2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにするゼロカーボンシティ宣言が発表され、2035年度までに60%削減する目標が掲げられたことを踏まえ、食と農のローカル需給や循環型農業の推進がゼロカーボンの実践そのものであるとして、本業・副業に関わらず多様な担い手を包括的に支援する具体策があるか市長の見解を求めた。

市長 藤本

市長は、学校給食向けの栽培に限定した補助等はないが、包括的に多様な担い手を支援しているとして、パイプハウス設置に係る補助事業やJA営農指導員による栽培技術向上指導を継続的に実施していると答弁。給食食材の安定的な調達については、調達の取りまとめをベジパーク安芸高田が担い、JAの野菜部会等と連携して必要量を取りまとめ、生産者への出荷可能量の確認などの調整をしてもらいながら、できるだけ地場産を活用することを心がけていると説明した。

学校給食の地場産・有機食材の拡大と生産者との意見交換

化学肥料や農薬を低減する循環型の有機農業や自然栽培は脱炭素に直接貢献するとして、学校給食をハブとした環境配慮型の地場食材・有機食材の導入と小規模農家への支援をゼロカーボンの重点アクションプランに位置づけることを提案。栽培スタイルや規模を問わず多様な意見を取り上げる協議会立ち上げの必要性と、市長が考える食育について見解を求めた。

市長 藤本

市長は、現在は給食センター、産業部地域営農課、JAの三者が連携する地場産物供給検討会議で安定的かつ計画的な地場産食材の活用を推進していると説明。協議会を立ち上げる前に、学校給食に係る地場産物の生産・流通体制の現状を伝えることも含め、まずは生産者との意見交換の場を設定してはどうかと考えていると答弁した。食育については、市として循環型の社会をどうつくっていくかに取り組む中に食も当然関わってくるため、学校給食も市民の食も含めて取り組んでいきたいと述べた。