秋田雅朝 議員
第2日
第4次教育振興基本計画と学校教育推進プランを基に、基礎基本の徹底、全国学力テストの結果分析、デジタル教科書、ゲーム依存、教職員のメンタルヘルス、部活動改革、今後の教育振興施策について質問。
基礎基本の徹底に向けた授業改善と教育委員会・学校の連携
学力向上戦略による授業づくりや学びの質を追求する授業改善について、学校現場と教育委員会の連携状況を確認。授業づくりは学校現場が主体ではないかとして教育委員会の関わり方を尋ね、オール安芸高田教育として掲げる研修の充実を安芸高田教育推進会との連携も含めてどう評価しているかを質問した。
教育長 猪掛
教育長は、従来の学力向上戦略の要素を引き継ぎ今年度4月に安芸高田市学校教育推進プランを策定・公表したと説明。毎月の校長研修会と2か月に1回の教頭研修会で方針を伝え日常的な連携を図り、授業改善では指導主事を学校へ派遣して授業参観と指導助言を行い、その内容を学校教育課内で共有して次の改善につなげている。安芸高田教育推進会は教職員の自主的な学びを支援する組織で教育委員会が直接評価するものではないが、密に連携して研修の充実に努めていると答弁した。
全国学力テストの結果分析と学力向上に向けた教育計画
全国学力・学習状況調査や市の学力調査を活用した課題分析と学習習慣の改善の取組を確認。広島県内の市町別正答率平均スコアの公表をどう受け止めているか市長・教育長に所見を求め、過去10年間全国平均を下回っている状況を示して、学力向上戦略に代わる中長期的な計画の策定について考えを質問した。
市長・教育長 藤本・猪掛
市長は、結果を子どもたち一人一人の日々の頑張りと丁寧に受け止め、調査から得られた課題を整理・分析するよう教育委員会に指示したと答弁。教育長は、前年度と比べ小学校の算数、中学校の国語・数学は全国平均との差が縮まったが、小学校の国語と中学校の英語に大きな課題があると分析し重く受け止めているとした。調査は序列化のためではなく指導改善や教育施策の充実に生かす検証ツールと位置づけ、これまでの施策の効果をしっかり検証して次の学力向上を目指した取組を進めると述べた。
デジタル教科書の使用バランスと学びへの影響
文科省のデジタル教科書検討会議で、よく使う児童生徒ほど授業の理解について肯定的な回答が多かったと報告されたことを踏まえ、本市におけるデジタルと紙の教科書の使用バランスを確認。デジタル活用が学力へ与える影響について所見を求めた。
教育長 猪掛
教育長は、指導者用デジタル教科書はほぼ全ての教科で活用している一方、学習者用は小学5年生以上の算数・数学・英語で導入しているものの、そのほかの授業では紙の教科書を主に活用しているのが現状と説明。2026年度の全国学力・学習状況調査のICT機器の使用頻度に関する質問と本市の結果をクロス集計したところ、特に中学校の英語で若干の相関関係が見られ、一般的にもデジタル機器をよく使用する学校ほど学力が高い傾向が見られると認識していると答弁した。
ゲーム行動症の児童生徒の学力・視力への影響
ゲームのやり過ぎで日常生活が困難になるゲーム依存が10歳から29歳の若年層で増えており、学業や健康に問題が生じても続けてしまう特徴があるとして、本市の状況を確認。学力が下がるのであれば何らかの対策を考えてほしいと求めた。
教育長 猪掛
教育長は、ゲームに特化した調査は実施していないとしつつ、全国学力・学習状況調査では平日1日に3時間以上スマートフォンやゲームを使っている割合が小学校51.4%、中学校66.6%でいずれも全国平均より高いと説明。学力との関係では、小学校は使用時間が30分より少ない層が最も学力が高く、中学校は使用時間が長いほど学力が低い傾向がある。視力は小学生で悪化傾向はほとんど見られないが、中学校では課題を抱える生徒の割合が2016年度の58.5%から2025年度には66.3%へ増加していると答えた。
教職員のメンタルヘルスと学校の働き方改革
教員の精神疾患による離職が最多となり、離職要因に児童生徒に関することや職場の対人関係があると報道されたことを受け、本市にそうした状況があるかを確認。教員のメンタルヘルスへのさらなる方策が必要ではないかとして市長・教育長の見解を求めた。
市長・教育長 藤本・猪掛
教育長は、個人が特定されるため人数は控えるとしつつ、本市でもこのような状況の教職員が存在すると答弁。就任以来風通しのよい職場づくりを掲げて校長へ指導しており、2026年4月に安芸高田市市立中学校における働き方改革取組方針を策定したと説明した。市長は、教職員が心身ともに健康で生き生きと働ける環境づくりは重要で、働き方改革を進める必要を感じているとし、学校校務員、給食支援員、ICT支援員、個別最適な学び支援員などの専門職やサポート人員を配置して負担軽減に努めてきたと述べた。
部活動の地域展開とスポーツ活動の財源確保
国が令和5年度から7年度を改革推進期間、令和8年度以降の6年間を改革実行期間と定めていることを踏まえ、本市の部活動改革の推進期間における進捗状況を確認。地域移行の財源確保について来年度予算編成の考えを市長に尋ね、2031年4月の統合中学校開校時に改革実行期間内で地域移行を完了できるか所見を求めた。
教育長・市長 猪掛・藤本
教育長は、甲田中学校のハンドボール部が週休日には地域クラブ活動の安芸高田ハンドボールクラブとして活動し中体連の大会にも参加しているが、その他の部活はまだ実施できていない現状と説明。県の部活動改革推進計画に基づき本市の方向性を具体化する協議を開始しており、市長とも合意形成を図りながら今年度中に方針を公表できるよう準備を進め、中学校の統合時期も1つの目安と捉えているとした。市長は、国の補助金の来年度の見通しは示されておらず、国の動向を注視しながら必要な財源の確保に努めると答えた。
第5次教育振興計画の策定と英語力向上の施策展開
今後の教育振興について、将来展望を見据えてどのようなことを重要課題として取り組むか市長・教育長に見解を求めた。2027年度に計画期間が切れる教育振興基本計画を踏まえ、第5次教育振興計画の策定を早い時期から検討することと、英語力の向上を目指す教育振興を図ることを求めた。
市長・教育長 藤本・猪掛
市長は、重要課題として学力向上、部活動の地域展開、不登校支援の3つを挙げ、教育委員会と連携し家庭や地域社会と一体となって安心して学べる環境づくりを着実に前進させたいと答弁。教育長は、小学校段階での基礎学力の定着を目指したいとし、計画については国の新しい学習指導要領の素案が提示される運びとなっているため、教育大綱、教育振興基本計画、学校教育推進プランのいずれも素案が出された段階で合致するよう見直しを図りたいと述べた。